指示関数を用いれば
$$ H_{n,k} = 1_{\left[ \frac{2k}{2^n},\frac{2k+1}{2^n} \right[} - 1_{\left[ \frac{2k+1}{2^n},\frac{2k+2}{2^n} \right]} $$
とも表現できる.このように定義された関数系$(H_{n,k})_{n,k}$をHaar関数系という.
Haar関数系を一列に並べることで,$L^p$空間のSchauder基底が得られる.$n \in \mathbb{N}$に対して,
$$ I_n =
\begin{cases}
\{ 0 \} & n =0 \\
\{ 0,\dots, 2^{n-1}-1 \} & n \geq 1
\end{cases} $$
と定義する.
このとき,Haar関数系の添え字集合は
$$ I := \coprod_{n \in \mathbb{N}} I_n = \bigcup_{n \in \mathbb{N}} \{ n \} \times I_n $$
となっている.さて,関数$\Phi \colon \mathbb{N} \to I$を次の手順で定義しよう.まずは,$\Phi(0) = (0,0)$と定義する.$m \geq 1$のとき,$m = 2^{n-1} + k$を満たすような$n \geq 1$と$k \in I_n$がただ一つ存在するので,それらを用いて$\Phi(m) = (n,k)$と定める.このとき写像$\Phi \colon \mathbb{N} \to I$は可逆である.このパラメータ付けにより,$(H_{\Phi(m)})_{m \in \mathbb{N}}$は$L^p([0,1])$のSchauder基底となることが知られている.