庵原謙治さんがたぶん大昔に書いたものだと思われるガンマ函数とベッセル函数に関する解説。「易しい解説のつもりなんだけどここまでは書いておきたい」という点で共感するところが多い。
$x >0$ のとき、\begin{align*}
&\int_0^∞ \exp\left(-\frac x2\left(t+\frac 1t\right)\right)t^{-s-1} dt\\
&=2K_s(x)
\end{align*}ここで、$K_s(x)$ は第2種変形Bessel函数。
http://mathworld.wolfram.com/ModifiedBesselFunctionoftheSecondKind.html
$$
\int_{1}^{\infty} e^{-t} t \sqrt{t^2-1} \,dt=K_2(1)
$$
Bessel函数の話の続き
https://mathtod.online/@genkuroki/172893
の話の再掲
https://mathtod.online/@shoken_921/172825
私は軟弱なので $1/(n!)^2$ の和についてWolframAlphaに聞いてしまいました。自力でやりたい人は見ない方がいいかも。
https://www.wolframalpha.com/input/?i=%5Cint_0%5E%7B2%5Cpi%7Dcos(cos(t)+x)+dt
https://mathtod.online/@tobio/174194
計算結果が特殊関数になる積分とか級数とか突然出て来たらどうするかについては、昔からの回答は
(1) 特殊函数について勉強する。
(2) 経験値を上げる。
(3) 公式集をいつも持ち歩く。
だと思います。最近では
(4) WolframAlphaを使う。
(5) 数式処理ソフトを使う。
のようにコンピューターを使うことが普通になっている印象があります。
一般に計算力もある数学者や理論物理学者がコンピューターもうまく利用しているような感じ。
ベッセル函数で書けることをWolframAlphaが教えてくれる例については返答連鎖をたどれば見付かります。
庵原さんが相当に昔に書いたものだと思われるガンマ函数とBessel函数の解説を再度紹介。共感するところが多い解説。
最近話題のBessel函数などを含む超幾何の合流一族の説明の方はちょっと面倒なのですが、ベータ函数の合流一族の解説は簡単。
ベータ函数からガンマ函数が以下の極限で得られる:$n\to\infty$ で\begin{align*}
&n^s B(s,n+1)\\
&=n^s \int_0^1 t^{s-1}(1-t)^n\,dt\\
&=\int_0^n x^{s-1}\left(1-\frac xn\right)^n\,dx\\
&\to\int_0^\infty x^{s-1}e^{-x}\,dx
=\Gamma(s).
\end{align*}$t=x/n$ とおいた。
この計算からガンマ函数の無限積表示も得られる。$B(s,n+1)$ に次を代入すればよい:$$
B(s,n+1)=\frac{n!}{s(s+1)\cdots(s+n)}.
$$
ガンマ函数からGauss積分が以下の極限で得られる:$n\to\infty$ で、\begin{align*}
&n^{-n-1/2}e^n\Gamma(n+1)\\
&=\int_{-\sqrt{n}}^\infty \left(1+\frac y{\sqrt{n}}\right)^n e^{-\sqrt{n}y}\,dy\\
&\to\int_{-\infty}^\infty e^{-y^2/2}\,dy=\sqrt{2\pi}
\end{align*}$x=n+\sqrt{n}y=n(1+y/\sqrt{n})$ とおいた。
この計算は所謂スターリングの証明そのもの。
さらにガンマ分布の(したがってカイ二乗分布の)中心極限定理の証明にもなっている。
超幾何函数の一属より一段易しいベータ函数の一族でもすでにこんなに面白い。
訂正。「スターリングの証明」を「階乗のスターリングの近似公式の証明」に訂正。